第5回 酔いどれ家庭教師

キュキュ。マスターがグラスを拭いている。
緑色のライトが100本近いボトルとグラスを照らしていた。カウンターの奥から3番目。普段ははかないハイヒールをはいた先生が、グラスの中の丸い氷をボーっと眺めている。
「なにか悩みごとでも?」拭き終わったグラスを棚に置きながらマスターは聞いた。
先生は足を組み換えた。ハイヒールがイスの足に当たる。「生徒の部屋に、ビキニを忘れてきちゃったの」
「ビキニをですか?」「そう。しかも下だけ・・・」
店中の客がその話に聞き耳をたて、ジロジロ先生を見ていた。「そういうプレーじゃないんですか?」客の1人が聞いた。
「えっ!?」
先生は今日もどこかにビキニの下だけを置き忘れてきていた。
あっ、あーーーーーーーーーー