官能小節

 第10回 未知殿遭遇(家庭教師編)

「つかまえた!」先生の腕をしっかり掴んでいた。頬には涙のあとがついていた。 景色がもどる。いつも勉強を教えてもらう部屋だった。こちらにふりかえりながら先生は言う。 「おしまいね」 境界線をひかれたような言い方に、急いで手を放した。 「おしまい…

 第9回 家庭教師人魚

腰には昆布がまかれ、大事なところには貝殻があてられていた。すこし角度を変えれば、そこはユートピア。入園許可はおりるのだろうか・・・ 「せ、先生は人魚姫だったんですね」 「そうよ。きれい?」 きれいです。心の中心で本音を叫んだ。 濡れ髪は真珠の…

 第8回 混浴の家庭教師3

湯気が水面でくねって、ゆっくり天井に向かって消えていく。ぼくの気持ちは湯気だった。 「さきに出るわね」 ザザザー。水が滝のように落ち、目の前に太ももがあらわれた。ピチピチだ。なんてピチピチなんだ。見せつけるように、目の前で体を拭きはじめた。…

 第7回 混浴の家庭教師2

シャワーをひねると、一気に湯気があがった。身体の線が浮かんでは、また湯気に包まれていく。 「先生、先生」ビキニをはいた僕は、どうしたらいいかわからず先生を呼んだ。 「こっちにきて」 湯気の中から手だけがでて、引っ張られる。腰や胸に腕が触れた。…

 第6回 混浴の家庭教師

先生は普通にしよう普通にしようとしていた。ビキニを渡した時も恥ずかしがらず、それが当たり前のように振る舞っていた。髪を耳にかけ、目線をすこし下におとした。 「先生、今日の勉強は・・・」 「ああ、じゃ始めるから、ちょっと来て」忘れたビキニを持…

 第5回 酔いどれ家庭教師

キュキュ。マスターがグラスを拭いている。 緑色のライトが100本近いボトルとグラスを照らしていた。カウンターの奥から3番目。普段ははかないハイヒールをはいた先生が、グラスの中の丸い氷をボーっと眺めている。 「なにか悩みごとでも?」拭き終わっ…

 第4回 ビキニを忘れた家庭教師

ベッドのすぐ下。マシュマロのように丸まったビキニが落ちていた。拾い上げるべきか?それとも気づかなかったことにするか?ビキニに近づいた。一歩、ニ歩。手の届くところまで来て、気持ちを整理した。 さっきまで先生の身体に吸い付いていたビキニ。手にと…

 第3回 知り尽くした家庭教師

どこがイイの・・・?唾がのどを通る音が聞こえた。ここ?「えっあ、いや」ここ?「も、もう少し右」ここは?「あ、下、下」ここ?「左左。こうぎゅっと」 いいかげんにして!はっ 夢か。ヨダレがたれかかっていた。ズズッ。 「寝ちゃったの?もう。」先生の…

 第2回 家庭教師のくちびる

参考書を開いたまま、机の隅においた鏡を見ていた。 舌で口の端を少しなめ、くちびる全体に馴染ませるようにする先生が映っていた。 答えなのか?問題なのか?声は遠く、鏡に映るくちびるだけが動いている。 口唇術師のつもりでくちびるの動きを1つづつ読み…

 第1回 メガネの家庭教師

チーンポーンチーンポーン。先生だ。 先生の押すチャイムはすぐにわかる。音がいつもと微妙に違う。 脱ぎっぱなしになった靴を端によけ、ドアノブに手をかけた。 がちゃ。 「よろしくおね・・・・」 そこに立っていたのは、ビキニ姿の先生だった。 あっ、あ…